データベースシステムの目指すもの(付(つけたり):8月10日の検討会についてのご報告)

  • 合宿に先立ち、8月10日(月)、三橋研究室でデータベースシステムのあり方についての検討会を行いました。
    出席者(敬称略)三橋、山岸、村上、大軒
    当日はシステム面の専門家である小宮・福田両氏が欠席のため、主として利用者(日本史・日本文学研究者)の立場から、小右記講読会のデータベースあるべき姿(内容、検索/入力の範囲など)について討議し、これを受ける形で合宿での作業が行われました。
  • 現在、「さねよりデータベース連動編集システム」が試験運用を兼ねて、ログイン資格を持つ会員のみを対象に公開されています。
    内容は、「人物」・「役職」・「場所」・「儀式」・「語注」・「進捗」の6種類です(内、「儀式」は今回の合宿で大幅に拡充。「語注」・「進捗」は合宿で新設。)
  • 「人物」・「役職」・「場所」には、『小右記註釈長元四年』下巻の「人物考証」・「官職・身分考証」・「場所考証」のデータが収録されています。
    今後は、長元四年以外のデータを入力することで、例えば『小右記』に見える人物の各年における官位や年齢が判るようにしたり、各年の官職別の在職者を調べられるようにすることが理想です。
    合宿ではその第一歩として、『公卿補任』・『弁官補任』・『僧綱補任』の入力作業を開始しました。今後、入力すべき史・資料が多数ありますので、会員各位のご協力・ご支援を期待しております。
  • 「儀式」には、『小右記註釈長元四年』上巻の「年中行事一覧」のデータに加え、両巻の註釈の該当項目の記述を今回の合宿で加えました。
    また、「語注」は、古記録用語や古記録に特有の熟語表現などを収録するもので、合宿では両巻の註釈の該当項目の内容を記述しました。
    「儀式」と「語注」を併せることで、本データベースに古記録辞典としての機能を持たせたり、長和元年・二年条の註釈執筆の参考書となることが期待されます。
  • 「進捗」には、『小右記』原文入力作業の担当者名が年月別に表示されます。今後、同年の他の古記録の記事の存在や入力の状況、『小右記』原文の校訂や書下し文作成などの作業の進展状況も表示される予定です。
  • 会員でログイン資格の取得を希望される方(原則として、現在の例会参加者または科研作業従事者)は、小宮さんまたは村上までご一報ください。
  • なお、科研の研究期間終了後には、本データベース作成の成果が何らかの形で公開されることが予定されています。非会員の方々にはそれまでお待ちいただきたく、ご理解をお願い申し上げます。

    データベースシステムの目指すもの(付(つけたり):8月10日の検討会についてのご報告)」への7件のフィードバック

    1. 小宮 和寛

       村上先生投稿ありがとうございます。

      「さねより」ですが、
      現在「辞書」「補任」「人物関係」の三つのテーブルで設計を練っています。
      現段階で実装がすんでいるのは「辞書」の部分のみで、「補任」・「人物関係」については検討段階です。

       すでに「補任」については作業が開始されていますのでデータができあがり次第設計を詰めてみます。また「補任」については各人のデータの様式に統一がとれていたほうが好ましいので村上先生で調整をして頂けると作業が円滑にすすむかと思います。

    2. 三橋 正

       昨日、宗教史懇話会サマーセミナーの合宿から帰ってきました。2日は、三橋・山岸・村上・池田・福田・小宮で作業をしたいと思います。
       その前に、「進捗」について、福田君に入力してもらった(エクセルファイル)、写本情報などを流し込んでおいてもらいたいと思います。
       小宮君は、「補任」の設計をされているそうですが、「人物」についても、再設計が必要ですね。その辺について、皆が意見を持ち寄って、良いものにしていきましょう。

    3. 村上史郎

      先ほど、「補任」作業用に合宿で作成したエクセルのファイルをアップロードしました。但し、アップロード方法の確認・練習を兼ねて送信したものですので、実際に作業に用いるには以下の点にご注意ください。
      ①合宿時に村上が入力した『公卿補任』天元元年~五年分のみのデータです。
      ②ファイルの上部に福田さん作成の昌泰~延喜年間(途上)のデータがそのまま残っています。したがって、作業時にはエクセルの1行目~119行目+2行空きの分(120・121行目)を削除する必要があります。
      ③「その他」欄(V欄)の数字表記が、漢数字、アラビア数字(全角・半角)の混在したままとなっています。

    4. 小宮 和寛

      再設計の必要性について
       「人物」についてはこのように考えています
       生没年、血縁関係、性別等の基本情報を語句とは切り離して別のテーブルで管理し現在進行している語句説明とは分離します。つまり辞書は辞書として存在し基本情報はそれとは別に存在し、二つを橋渡しするものは名前になります。
       「補任」も同様です。

      ファイル使用スベースについて
       適当なガイドラインがあったほうがいいと思います。研究会で調整してみてください。
       アップロードしたら日付と名前、内容がわかるようなフォルダを作成し格納する等。

      全角半角のゆれについて
       あまり気にされなくて結構です。アラビア数字・欧文などを表記する場合は、半角が好ましいですが、後で置き換えできますのでそれほど気にされなくてもよいかとおもいます。音引きとダーシは気にしたほうがいいです。これは機械的にはなかなかうまくいきません。

    5. 村上史郎

      小宮和寛様
      大変判りやすい易いご意見・ご助言をありがとうございました。

       「人物」のデータを「基本情報」と「語句説明」(正確には、略歴・活動情報といったところでしょう)に分けて管理するということですが、前者は文章ではないもの(たとえれば免許証・保険証等の、備考欄以外の記入情報のようなもの)ということでよろしいでしょうか? それとも、例えば「誰の三男。誰と誰は兄弟。」といった文章情報も入るのでしょうか?(私は前者と理解しましたが…。)
       なお今後は、「語句説明」についても、①通称(たとえば藤原実資は「小野宮右大臣」)や幼名・出家名、極位・極官(最も出世したときの位階・官職)に到るまでの略歴などの基本情報的な記述(「基本情報」ですと名称が紛らわしいので「略歴」と呼称します)と、②長元四年、長和元年・二年をはじめとする毎年の官位、古記録(日記)などの記事に見える動静・消息・活躍記事などの記述(「活動情報」と呼称します)に分けて管理する必要があるかと思われます。
       「略歴」は一人につき1つですが、「活動情報」については年ごとのカードのようなものとしてとらえるべきかと思われます。但し、「活動情報」が詳細となる年は当面は長元四年と長和元年・二年だけで、他の年については、年齢と官位(現在「補任」として入力している情報はその一部を構成します)が中心の記述になるかと思われます。
       したがって、今後構築していただくことになるデータベースでは、現在は別々に分かれている「人物」と「官職」、「補任」のデータを統合したものが望ましいのではないかと考えます。なおその場合、「官職」については、「補任」の データに基づいて役職(ポスト)別に各年の在職者を表示し、官職や役所自体の説明は除外して別に管理・表示していただくのがよいのではないかと思われます。

       お礼と感想を一言だけ書くつもりが長文になってしまいました。他の方々も、ご意見をお寄せいただければ幸いです。

    6. 小宮 和寛

      お忙しいところ返信有り難うございます。

      「基本情報」は文章ではなく要素にデータが入るものになります。免許証と同じイメージでかまいません。「語句説明」は現在編集している辞書です。それぞれ独立し名前もしくはIDでリンクします。
       略歴にかんしては「補任」から自動的に生成する予定です。文章としての質はわるいかもしれませんが使い勝手はいいと思います。

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